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Q.相続人は見つかったのに、管理費の支払にも墓石の撤去にも応じてもらえない場合は?
この記事の要点
- 相続人がいることが分かった以上、公告の手続で撤去することはできません。話し合いが基本です。
- 管理費の未払いが長期に及ぶ場合は、永代使用権の解除と墓石の撤去を求める訴訟を検討します。
- 管理費を受け取る契約になっていない場合は、撤去は難しくなります。
相続人がいる場合に撤去を強行してはいけない
調査の結果、相続人が見つかったにもかかわらず、官報公告と立札の手続を進めて撤去してしまうと、民事上の損害賠償責任を負う可能性が高くなります。相続人がいる以上、まずは話し合いです。
話し合いの進め方
相続人の多くは、遠方に住んでいたり、お墓の存在自体を知らなかったりします。まずは寺院または弁護士から事情をお伝えし、次のどちらかを選んでいただくことになります。
- 管理費(護持会費等)を今後支払い、お墓を守っていく
- 墓じまいをして、墓石の所有権や永代使用権を放棄する
なお、管理費の話をせず、初めから墓じまいを前提としてお話しすることも可能です。
管理費を払わず、撤去にも応じない場合
管理費の未払いが長期に及んでいる場合は、墓地使用契約の解除を通知したうえで、永代使用権の消滅を前提に、墓石の撤去と区画の明渡しを求める訴訟を起こすことになります。
管理費の未払いが20年に及んだ事案で永代使用権の解除を認めた裁判例がありますが、それより短い期間(5年や10年)について判断した裁判例は見当たりません。私見としては、10年間の未払いがあれば解除が認められる可能性は十分あると考えます。より短い期間でも、既に納められた永代使用料の金額との兼ね合いで、認められる余地はあると思われます。
なお、管理費の滞納が3年から5年続けば解除できるとする見解もある一方、管理費は永代使用料に比べて少額であるため、その程度の滞納では解除は認められないとする見解もあり、考え方は分かれています。使用規則に「3年滞納で使用権消滅」と定めていても、それだけで直ちに解除が認められるとは限らない点に注意が必要です。
また、過去の管理費の請求は、時効により、原則としておおむね5年分に限られる点にも注意が必要です。
管理費を受け取る契約になっていない場合
永代使用料のみを受け取り、管理費を受け取る契約になっていない場合は、使用権を解除する根拠が乏しく、撤去は難しいと考えられます。これから契約する墓地については、管理費の定めと、長期未払いの場合に使用権が消滅する旨の条項を、必ず入れておいてください。