トップ > ご住職の疑問に答える > 墓地の管理
Q.墓地を新しく作る(拡張する)には、どのような許可が必要ですか?
この記事の要点
- 墓地や納骨堂を経営するには、都道府県知事(市や特別区では市長・区長)の許可が必要です(墓地、埋葬等に関する法律10条)。
- 既存の墓地の区域を広げる場合も、変更の許可が必要です。
- 具体的な基準は自治体の条例や要綱で定められており、事前協議や近隣住民への説明が求められるのが一般的です。
許可が必要なもの
墓地、納骨堂、火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。墓地の区域や納骨堂の施設を変更する場合、墓地等を廃止する場合も同様です(墓地、埋葬等に関する法律10条)。市や特別区では、市長・区長が許可権者となります。
経営主体
国の指針では、墓地の経営主体は、原則として地方公共団体、これによりがたい場合でも宗教法人や公益法人等に限るとされています。永続性と非営利性が求められるためです。
主な許可の基準
具体的な基準は、自治体ごとの条例や規則、要綱で定められています。一般的には、次のような事項が審査されます。
- 経営主体の要件(宗教法人の場合、その寺院の境内地またはその隣接地であること等)
- 土地が宗教法人の自己所有であり、抵当権等が設定されていないこと
- 住宅や学校、河川などからの距離
- 区画、通路、排水、駐車場などの構造・設備の基準
- 資金計画の確実性
- 近隣住民への説明と、その結果の報告
大阪府内の場合
大阪府内では、平成24年以降、墓地等の経営許可の権限が原則として各市に移されており、府が許可するのは一部の町村のみです。そのため、実際の基準は各市の条例で確認する必要があります。
例えば、大阪府の条例では、墓地の土地は経営者が所有し、所有権以外の権利が設定されていないことが原則とされ、宗教法人が境内地内で墓地の区域を拡張する場合が、例外的に認められる場合として定められています。府の審査基準では、宗教法人が20年以上所有する境内地内で、檀家等の需要に応じて墓地を新設する場合などが挙げられています。また、茨木市の条例のように、主たる事務所を3年以上市内に有する宗教法人であることや、申請予定日の4か月前までの事前協議書の提出を求める市もあります。
手続の流れ
多くの自治体では、正式な申請の前に、事前協議や事前相談の手続が設けられています。計画の構想段階から自治体の担当窓口に相談し、近隣への説明を経て、許可申請に進むのが一般的です。宗教法人の規則に基づく責任役員会の議決や、宗教法人法23条の公告が必要となる場合もあります。
業者主導の計画には注意
石材店や開発業者から墓地の新設を持ちかけられることがあります。しかし、実質的な経営を業者が担う「名義貸し」は、経営許可の趣旨に反し、行政指導や許可の取消しにつながるおそれがあります。また、規模に見合わない墓地の造成は、寺院の破産の原因にもなっています。計画段階からご相談ください。