お寺弁護士.com弁護士法人ひこぼし法律事務所 弁護士 村山雅信

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Q.後継者のいないお墓について、ご住職はいつ・どのように切り出せばよいですか?

この記事の要点

  • 墓石の所有者がご健在のうちに話し合うことが、寺院にとっても所有者にとっても、最も負担の少ない解決方法です。
  • 所有者が亡くなった後では、相続人調査、官報公告、1年間の立札掲示が必要となり、時間も費用も大きくかかります。
  • 切り出しにくい場合は、「弁護士から早めに話をするよう勧められている」と、専門家の意見を理由にしていただいて構いません。

なぜ「ご健在のうち」なのか

後継者のいないお墓は、所有者が亡くなると、その時点で所有者不明の墓石になる可能性が高くなります。そうなると、寺院が撤去するためには、相続人や縁故者の調査、官報公告、1年間の立札掲示、改葬許可の申請という手順を踏まなければならず、1基あたり1年以上の期間と、相応の費用がかかります。

これに対し、所有者がご健在のうちであれば、ご本人の意思で墓じまいをしていただくことができます。手続はずっと簡単で、ご本人にとっても「自分の代で始末をつけられた」という安心につながります。

生前の墓じまいの流れ

一般的な流れは、次のとおりです。

既に納められた永代使用料の扱い(原則として返還しない等)は、墓地使用規則の定めに従います。規則に定めがない場合は、後日の紛争を避けるため、書面で確認しておくとよいでしょう。

切り出し方の工夫

年回法要や護持会費を納めに来られた機会など、自然にお話しできる場面を選ぶのがよいでしょう。

その際、「最近、弁護士から、後継者のいないお墓は早めにご本人とご相談するようにと言われていまして」と、専門家の意見を理由にしていただいて構いません。寺院の都合ではなく、ご本人とご家族のための話であることが伝わりやすくなります。

また、一度で結論を求めず、永代供養墓の案内や費用表をお渡しして、考えていただく時間を取ることも大切です。お話しした日付と内容は、簡単でよいので記録に残しておいてください。

生前の撤去に難色を示された場合

「生きているうちはお墓を残したい」というお気持ちは、もっともなものです。その場合は、ご本人が亡くなった後に墓石を撤去できるよう、専門家との間で死後事務委任契約を結んでおいていただく方法があります(関連記事をご覧ください)。

寺院側で準備しておきたいもの

話し合いを円滑に進めるため、永代供養墓・合祀墓という受け皿、その費用の一覧、墓じまいの流れを説明した書面を、あらかじめ用意しておくことをお勧めします。

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